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2008年8月

夏の着物といえば、絽(ろ)や紗(しゃ)です。
私は暑さに弱いので、夏に着物を着ることはまずありませんが、
絽や紗の着物をさらっと着こなしている方を見ると、本当に素敵だなあと思います。
涼しげで、ちょっと粋で、憧れちゃいます。

涼しげに見えますが、実は全然涼しくないんですよ。
夏に絽や紗の着物を着るのは涼しいからではなく、
まわりの方が涼しく見えるために着るものなのです。金魚さん
凄いですよね。

古くから受け継がれている室礼もそうですね。
住む人の居心地も大切ですが、
訪ねてきて下さった方を季節感のある空間でおもてなしする―

衣食住に季節感を取り入れるということは、
まわりの方への心配りでもあるんですね。


※このイラストは「十五夜」さんからお借りしました。

2008年7月

これからいよいよ夏本番ですね。
暑さで目が覚める、なんてことも、これから多くなりそうです。

毎日、朝食の前に玄関と家の周りのそうじ、庭の花たちに水やりをするのですが、もう汗だくです。
そこで、この時季はいつも早起きをしています。
(するように心掛けています…)
1時間早く起きるとずいぶん違いますものね。
暑くなってから水やりをするとお花たちがかわいそうですから、頑張っています。

今年から、ほんの少しですが家庭菜園も始めまして、
今はその成長を見るのが楽しくて仕方ありません。
朝と夜とでは背丈もずいぶん違っていて、
そのたくましい成長ぶりに毎日驚かされています。
毎朝、採れたてのミニトマトを氷水でキュッと冷やし、
サラダに入れて食べているのですが、
本当に幸せ!って感じ。
同時に、自然の恵みに感謝!という思いです。

2008年6月

今年は例年より早く梅雨に入りました。
昨年より20日も早かったんだそうですね。

突然ですが、問題です。
卯の花腐し(うのはなくたし)、茅花流し(つばなながし)、神立(かんだち)、栗花落(ついり・つゆり)…
これらは何の言葉でしょう。
では次。
傘かしげ(かさかしげ)、狐の嫁入り(きつねのよめいり)、夕立ち(ゆうだち)…

もうおわかりですよね。
これらはみんな雨に関する言葉なんですよ。
雨には本当にたくさんの言葉や名前がありますね。
「雨」という言葉が入るものも加えれば、もっともっと。
青時雨(あおしぐれ)、翠雨(すいう)、分龍雨(ぶんりょうのあめ)、喜雨(きう)、緑雨(りょくう)、
肘かさ雨(ひじかさあめ)、篠突く雨(しのつくあめ)、時雨(しぐれ)…
梅雨のものだけでも
走り梅雨、迎え梅雨、梅雨の走り、梅雨晴れ、梅雨入り晴れ、男梅雨、女梅雨、空梅雨…雨上がりの森
こんなにたくさん。

どれも情景が目に浮かぶような、風情のある言葉ばかり。雨は日本の生活や文化と大きくかかわってきたのでしょうね。

雨の日に出掛けるのは、正直、あまり好きではありませんが、窓の外に映る、雨露に濡れた木々を眺めるのは大好き。雨上がりに、より鮮やかになった緑を見るのはもっと好き。


※この写真は「EyesPic」様よりお借り致しました。いつも素敵な写真をありがとうございます。

2008年5月

緑の鮮やかさが日に日に増し、爽やかな季節になりました。
毎朝、玄関や門の前を掃除するのもとても気持ちがいいです。
寒い冬はさぼりたい気持ちと戦いながらですが、
この季節は、毎日清々しい一日の始まりを迎えています。
仕事をしている時も、この気持ちのまま過ごせたらいいのですが…

先日、一番茶が届きました。
新茶と一番茶。
その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶のことで、基本的には同じものなのだそうです。
送って下さったものは、本当に最初に摘まれたもので大変貴重なもの。
ありがたくありがたく、頂戴しました。
とてもよい香りでおいしかったです!
あ~幸せ。
暮らしの中のちっちゃな幸せ…私、大好きなんです。

一番茶をいただくと、一年間無病息災で過ごせるという言い伝えがあります。夏もち~かづく八十八夜
今年も皆が元気で暮らせますように。

日頃、ペットボトルのお茶を飲んでおられる方も、
この季節はぜひぜひ急須にお茶を入れて
新茶を味わってください。
ほっこりした気分になりますよ、きっと。


※この写真は「EyesPic」様よりお借り致しました。

2008年4月

季節ごとに新しい便箋や一筆箋を購入すること。
これは、私の楽しみのひとつです。
最近はメールで連絡を取ることが主になり、手紙を書く機会がずいぶんと減りました。
字も文章も上手な方ではないので、ついつい筆不精になりがち。来年まで出番待ちの桜の便箋
でも、お礼状やちょっとした贈り物に添える文章は、
下手ながら、一字一字心を込めて書いています。
そんな時、季節の絵柄の入った便箋や一筆箋だと、
こちらの気持ちも伝わる気がするのです。
私自身、いただいた時は先方の心遣いが
とても嬉しいですから。

手間を省くのもいいですが、手間を楽しむのも
またいいものです。

先月も、桜をあしらったものをいくつか購入しました。
でも、桜の開花が思いの外早く、ほとんど使わないまま
季節が流れていきそうです。
ああ…少し残念。

2008年3月

寒さの厳しかった冬もようやく終わりを告げ、もうすぐ春の訪れですね。
季節の移ろいの中で、最も心待ちされているのが春ではないでしょうか。

四季の中で最も過ごしやすい時季で、
何となく華やいだ気分になり、心も軽やかになる季節。
寒さから解放されるというのは、こんなにも楽しい気持ちにさせてくれるものかと
毎年、この季節になるたびに感じます。すみれ

春の訪れの感じ方は人様々ですが、
私は、先日いち早く春の訪れを感じることがありました。
母のお友達が旅行のおみやげを持ってきて下さったのですが、
庭に咲いていたからと、
かわいいすみれが一輪添えてあったのです。
いつだったか、私がすみれの花が好きだと言っていたのを
覚えてくださっていたのでしょう。
華奢な茎に咲く鮮やかな紫の小さな花に、
可憐でありながら凛とした力強さを感じ、
さりげない心遣いと優しさに心があたたかくなるのを感じました。

2008年2月

2月の行事といえば 節分 ですね。
節分とは節の分かれ目のこと。
四季の始まりである 立春立夏立秋立冬 の前日のことをいいます。
旧暦では、立春が1年の始めとされていました。
いわばお正月。
その前日ですから、2月の節分は大晦日というわけです。
他の節分にはない様々な行事を行うのも、
新しい年を迎える節として、特別な思いがあったからでしょう。
今では節分といえば 立春 の前の日を指すようになりました。

節分の行事といえば 豆まき 。そして恵方巻き。
恵方巻きは、元々大阪の海苔問屋協同組合のイベントで行われたものですが、鬼は外、福は内
今では全国的にすっかり定着したようです。
我が家でもやっています。
皆が同じ方向を向いて巻き寿司にかぶりつく光景が
たまらなくおかしくなり、
いつも吹き出しそうになりますが、
しゃべってはいけないんですよね。
だから、笑いを堪えながら黙々と食べています。
毎年「これって何か変」と思いつつ…
でも、楽しいことはいいことです。
古くから伝わる風物詩も、きっかけはこんなものだったのかもしれません。

2008年1月

皆様はどのような お正月 を迎えられましたか。
新しい年を迎えると、気持ちも引き締まりますね。

今年の元旦、テレビをつけると偶然、富士山の初日の出を中継していて
「ダイヤモンドリング」を見ることができました。
その輝きは素晴らしく、新しい年の幕開けにふさわしい光景でした。
思いがけず、このような映像を見ることができてラッキーでした。
テレビの画面に向かって思わず手を合わしお願い事をしましたが、
(笑わないで下さいね)
お願い事は届いたでしょうか。
慌ててしまって、自分のことをお願いするのを忘れてしまったので、
今年も自力で頑張るしかありませんね。

「正月」の「正」という字には改まるという意味があります。
昨年素晴らしい一年だった人にも、
あまりよいことがなかった人にも、
すべての人に新たな年が始まります。
どうか、皆が笑顔で過ごすことができる
一年でありますように。

※この写真は「EyesPic」様よりお借り致しました。

2007年12月

先日、久しぶりに京都に行ってきました。
南座には顔見世興行のまねきが上がり、とても華やいだ雰囲気が漂っていました。
まねきは京都の冬の風物詩のひとつ。いよいよ師走ですね。

「師走」という言葉を聞くだけで何だかあわただしい気持ちになってしまいます。京都南座のまねき上げ
12月 は行事も目白押し。
お歳暮、年賀状書き、大掃除、 お正月 の準備…
やることがいっぱいあって大変。
でも、その忙しさが楽しくもあります。
いえ、楽しくしちゃいます。
だって、もうすぐ新しい年がやって来るんですもの。
おめでたいことの準備をするのは楽しいものです。

少し早いかなとは思ったのですが、
せっかく京都に行ったのだからと
きれいな和紙のお箸袋とぽち袋を買ってきました。
今、引き出しの中で出番を待っています。

2007年11月

読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋…
秋にはいろいろな呼び名がありますが、私の楽しみの一番は、やはり「味覚の秋」でしょうか。
松茸、柿、栗、ぶどう、さんま、さつまいも…思い浮かべるだけでも、お腹がグーと鳴りそうです。

昔から日本は旬のものをいただくことを大切にしてきました。松茸御飯もいいけれど、やっぱり土瓶蒸しかな
それは、粋(いき)だとされてきましたが、
決してそれだけではありません。
旬の食べ物には、その季節を過ごすのに必要な栄養が
ちゃんと含まれているのです。
自然というのは、実によくできているものだなあと
つくづく感じます。
初物 を食べると長生きする」という言い伝えも、
人々の知恵なのでしょうね。

2007年10月

長く暑い夏もようやく終わりを告げ、やっと秋らしさが感じられるようになりましたね。
我が家の庭の木々(ほんの数本ですが…)も、少しずつ色づいてきています。
家の周りをお掃除していても、落ち葉が混じるようになりました。少し早いですが、紅葉です。きれいですね。
これから、どんどん増えてくるのでしょうね。

先日、お遣い物を買いに行き、
包装をしてもらっているのを待っていると、
黒い塗りのお盆にのせて温かいお茶を出してくださいました。
そのお盆の上には数枚のもみじの葉。
なんて心憎い演出なんでしょう。
季節を感じさせるさり気ない心配りに、心も体もほっこり。

2007年9月

まだまだ残暑が厳しい毎日ですが、朝晩に涼しさを感じる頃には、秋の草花が目に留まるようになります。その代表とされているのが、秋の七草ですね。

萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、
女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)

万葉集で山上憶良(やまのうえのおくら)が
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(おゆびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩が花 尾花葛花 撫子が花 女郎花 また藤袴 朝顔が花」
(※二首目は、「五・七・七、五・七・七」の旋頭歌)
と詠んだことで、秋の七草として親しまれてきたと言われています。すすき

尾花は「すすき」のこと。
朝貌は「桔梗」のことだろうと言われていますが、定かではありません。
細かいことをいうと、萩や葛は草花ではなく木です。
これらを「七草」と呼んでいいのか―なんておっしゃる方がいましたが、何て無粋なこと。
秋の涼しさを運んでくれる花達に風流を感じることができればいいのですから。

2007年8月

いよいよ夏真っ盛り。
1年の中で最も暑い季節になりました。

夏といってまず浮かぶ花といえば朝顔
私が幼い頃にはどこの家の庭先にも朝顔を見かけた記憶があるのですが、
最近は育てておられる家も少なくなった気がします。
でも、今この朝顔が環境の面で大変注目されていますね。
朝顔やへちま、つるむらさきなどで作る緑のカーテンが、
暑さを和らげるのにとても効果的なのだそうです。
これらは、水を根から吸い上げ、葉から蒸散するため、
日よけだけでなく、気温を下げてくれるのだそうです。
今のように環境を声高に叫ぶ必要のなかった時代から、
人々の知恵として、よしずや簾(すだれ)の替わりに窓辺に朝顔を植えていたのでしょう。
昔の人々の暮らしには、本当に学ぶことが多いですね。朝露で光る朝顔は本当にきれい

朝顔は、決して華やかではない素朴な印象の花ですが、
毎朝、元気いっぱいに花を咲かせて「おはよう」と言ってくれている姿に心が和みませんか。
茶道では、朝茶の茶花として籠に一輪の朝顔を生けたりするんですよ。
その何とも言えぬ素朴さが情緒と涼を感じさせてくれます。
まさに、夏の風物詩といえる花ですね。

2007年7月

1年もあっという間に半分が過ぎました。
年の始めに立てた志も、日々の生活に追われてついつい…
反省の意味も込めつつ、夏の準備のための大掃除ならぬ中掃除をしました。

敷物を涼しげなものに替えたり、花瓶や食器をガラス製のものにしたり、
それから、小窓のカフェカーテンをすだれにしてみました。
ずいぶん涼しげにな雰囲気になりましたよ。

これからは、お中元や暑中見舞いの準備、
夏休みや旅行など、行事が目白押しで、
あっという間に時間が過ぎてしまいます。
そのうちにやろうと思っていてもなかなかできないもの。
思い切って1日をお掃除日にしてみるといいと思いますよ。

お掃除が済んだら、水を張った器の中に葉っぱやお花を浮かべて、お部屋や玄関に飾ってみてください。涼しさの演出だけでなく、落ち着いた雰囲気にしてくれます。

2007年6月

6月といって思い浮かぶのは雨、そして梅雨ですね。

この「梅雨(ばいう)」は、中国から伝わった「黴雨(ばいう)」という言葉が語源になっているそうです。「黴雨」の黴は「カビ」のこと。語感が良くないということから「黴」のかわりに「梅」の文字を使うようになりました。この時季は梅の実が熟す頃ですものね。
江戸時代になって「梅雨(つゆ)」と呼ぶようになりました。雨の日は紫陽花がより鮮やかに美しく映りますね
文字や言葉にも風情を感じさせてくれるところは日本らしい気がします。

雨の日が続くとどうしても鬱陶しい気分になりがちですが、昨今の水不足を思うと、素直に「ありがとう」という気持ちになります。
この時季の雨は、農作物にとっても恵みの雨。
この雨があってこそおいしいものがいただけるんですものね。

2007年5月

桜の花も散り、緑がまぶしい頃となりました。
清々しいという言葉が最もふさわしい季節ですね。

茶道では、5月になると炉を閉じ、風炉にかわります。
それに伴ってお茶の道具、お茶室の花もかわります。
花入もこの頃から籠のものを用いたりして涼しげでさわやかな印象を演出するんですよ。
あらゆるものの装いが変わると、とてもすっきりとして気持ちも軽やかになるものです。

籠は夏のものという印象がありますが、この頃から、部屋の小物に籠を加えてみてはいかがでしょう。立夏も過ぎ、暦の上ではもう夏ですから。
敷物もピンクから淡いグリーンに変えると、さわやかな気持ちになりますね。

2007年4月

「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖ふる」
(あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりみずや きみがそでふる)

「紫の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我恋ひめやも」
(むらさきの におえるいもを にくくあらば ひとづまゆえに われこいひめやも)

皆さんよくご存知、万葉集に記された額田王(ぬかたのおおきみ)と大海人皇子(おおあまのみこ)の有名な相聞歌ですね。

古代中国では、穢れを祓うために端午の日に野に出、薬草を摘み、野遊びをしました。
この風習、日本には飛鳥の頃に伝わったとされています。飛鳥の風景
この歌は、668年5月5日、天智天皇を始めとする宮中の人々が蒲生野に薬草狩りに出掛けた時に詠まれたものです。(別の説もありますが) 

今は5月5日は「こどもの日」。そして男の子の成長を願う「端午の節句」としてお祝いをする日とされていますが、万葉の昔のその日、壮大なロマンスがあったのですね。


高島屋

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